自動化技術

スピンドルモータってどんなモータ?

スピンドルモータってどんなモータ?

今日、工作機械を取り巻く自動化のトレンドとして、ロボットは必要不可欠なものです。

工作機械に関連して、今回紹介するスピンドルモータは、その工作機械などの加工用途として使用されることの多いモータです。

ただ、それだけでなくロボットハンドなどに使用可能と幅広い機能性を持ち合わせています。

そんなスピンドルモータの特長について紹介することで、自動化の検討を行っている企業の方々の情報源になればと思いこの記事を作成致しました。

<スピンドルモータとは>
スピンドルモータとは、モータ部と回転部(スピンドル)が一体化したモータのことです。

スピンドルモータ外形図.png

外形が小さく設計されており、装置の小形化にも貢献し、様々な用途の切削に活躍しています。

<どんな用途で使われている?>
主な用途は、穴あけ・面取り・エミンドル(切削加工の一種)・研磨・リーマ(穴あけの仕上げ)・バリ取り・カッティングです。

専用機に取り付けられるだけでなく、ロボットのハンドとしても活躍しています。

ロボットとスピンドルモータ.jpg
(ロボットハンドに取り付けてバリ取りを行う)

穴あけ加工専用機.jpg
(穴あけ加工専用機)

<基本的なことですが...>
モータの回転数について下記式のように考えられます。

回転数(N) = 120f/P (min-1)  f:電源周波数(Hz)

後で紹介しますスピンドルモータの中には、インバータの周波数を調整することで回転速度を設定するものがあります。

例えば、2極のスピンドルモータを3000min-1にて使用したい場合、周波数は上記の式を元に求められます。

3000(min-1) = 120f/2(P) → f=50(Hz)

それでは、各種スピンドルモータについてご紹介します。(※1)

<各種スピンドルモータのご紹介>
①スピンドルモータ
 回転軸機構:三相インダクションモータ 50Hz/60Hz 200V
 モータ容量:0.13kw ~ 3.7kw
 回転速度 :3000min-1(50Hz)、3600min-1(60Hz)(※2)
 特  長 :外形を小さく設計、様々な用途の機械に組み付けが可能な一般的なスピンドルモータ
 周辺機器 :モータベース(スピンドルモータをクランプし、固定させるための部品)
       先端チャッキングツール
       インバータ(回転を変更させて使用する場合のみ必要)
       電源ケーブル

②高速スピンドルモータ
 回転軸機構:三相インダクションモータ360Hz 200V(インバータ駆動用)
 モータ容量:0.075kw ~ 0.75kw
 回転速度 :20000min-1
 特  長 :最高回転速度が20000min-1のスピンドルモータで、インバータが必須
 周辺機器 :モータベース(スピンドルモータをクランプし、固定させるための部品)
       先端チャッキングツール
       インバータ(高速スピンドルモータの場合必須)
       180Hz ~ 360Hzの間にて使用
       電源ケーブル

③DCブラシレススピンドルモータ
 回転軸機構:DCブラシレスモータ(専用ドライバ駆動用)
 モータ容量:0.2kw ~ 1.2kw
 回転速度 :20000min-1
 特  長 :外形が特に小さく設計されているため、コンパクトな取り付けが可能
 周辺機器 :取付用ブラケット(固定させるための部品)
       先端チャッキングツール
       専用コントローラ(DCブラシレススピンドルモータ駆動に必須)

④軽切削用スピンドルモータ(CMシリーズと高速タイプのCHMシリーズのラインナップ)
 回転軸機構:三相インダクションモータ 50Hz/60Hz 200V、高速タイプは300Hz 200V
 モータ容量:0.2kw ~ 0.75kw
 回転速度 :3000min-1(50Hz)、3600min-1(60Hz)
 特  長 :木工・アルミ・樹脂等の軽切削に適しておりコストパフォーマンスに優れている
 周辺機器 :先端チャッキングツール
       インバータ(CMシリーズは回転変更する場合は必要、CHMシリーズは必須)
       電源ケーブル

<特長比較表>

特長比較表.jpg

スピンドルモータについてご興味ありましたら、お気軽にお問合せ下さい。

(※1) 今回紹介した、弊社取扱い製品の各種スピンドルモータについては、株式会社タック技研工業の製品となります

(※2) 機種によって変化があります