想定外01
ロボットの操作が予想以上に難しく、現場で使いこなせる人材が少ない
ロボットの故障やメンテナンスはパートナーとなる企業に依頼することになりますが、日々の操作は現場の社員が行います。食品業界など、これまで自動化設備がなかった分野の場合、機械操作自体に苦手意識を持っていることがあります。導入を検討すると同時に、ロボット操作をする社員はロボットの研修会や講習に参加することが必須です。
想定外02
社内にロボット本体やシステムの技術をもった人材がいないため、調整の度に時間がかかってしまい、稼働率が上がらない
中小企業の中でロボットの専門的技術を持った社員がいることはなかなかありません。そうした場合、調整のためにはロボットメーカーや商社、システムインテグレーターに相談しなければなりません。運用開始時は技術的にわからないことが多いので、ロボット導入のパートナーとなる企業の運用サポートの体制が充実しており、相談しやすい関係が構築できるかも重要です。
想定外03
ロボット導入に伴い、付帯作業が増えてしまい、作業効率が下がった
工場のレイアウトや既存動線の変更による影響、工程間の連携がうまくいかなくなることで、人手が必要になることがあり、付帯作業が増えてしまう場合もあります。ライン構想の段階で、ロボットの設置場所や運搬、在庫スペースの確保など、製造工程全体への影響を事前に検討しておくことが必要です。
想定外04
当初想定していた細かい調整ができず、要求精度をクリアできない
ロボットを設置した後に、前後工程との連携や安定稼働のためにテストや調整を繰り返します。ロボット選定や製品精度の条件は、ロボットメーカーや商社、システムインテグレーターと密接に連携し、オープンに情報共有をすることで、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
想定外05
既存の工場にロボットを導入したが、作業スペースが狭く、ロボット動作時の安全面に不安がある
すでに稼働している工場や製造ラインの一部にロボットを導入するケースが多くあります。しかし、既存の工場の場合、設置スペースや動線などのレイアウト上の制約があります。設置場所はロボット本体だけでなく、付帯設備や安全柵などのスペースも確保しなければなりません。また、作業が可能な天井高さも確認が必要です。
想定外06
社員の中で、省人化による失職の心配や不安が出てしまった
導入は経営者や一部部門だけで進めるものではありません。導入については、社員の理解が必要不可欠です。ロボットを導入する目的をしっかりと共有し、社員の協力体制を整える必要があります。社員への不安を払拭するだけでなく、様々な部門や社員が関わることでより明確で効果の高い自動化を進めることができます。
想定外07
製造現場や各部門の意見が取り入れられておらず、導入効果を最大限発揮できていない
ロボット導入は一部の社員で行うのではなく、全社的な体制で取り組むべきプロジェクトです。ロボットの導入は製造ラインだけでなく、既存システムとの連携や、営業方法など様々な部分で影響を及ぼします。ロボット導入の理解を深め、最大限効果を発揮するためにも、部門を超えた意見を取り入れてみましょう。
想定外08
導入の結果、生産ラインが停滞し歩留まりが低くなった
ロボット導入した結果、前後の工程との連携がうまくいかないことが原因で生産ラインが停滞したり、不良率が上がってしまうことがあります。その結果、人の手が必要になることも多く、せっかくロボットを導入しても、人的リソースが割かれ省力化とは程遠い現象が発生してしまいます。ロボット導入を検討する段階で、製造工程全体の流れ、前後工程の連携もしっかりと確認しておきましょう。
想定外09
現場合わせによる調整に予想以上の時間がかかった
既存の生産ラインの一部にロボットを導入する場合、どうしても想定のシュミレーションだけでは上手に製品が流れないことが多いです。前後の工程も問題なくスムーズに流れるようにするには、ロボット設置後に実際に製品を流しながら現場で調整をする必要があります。設置環境や前後のラインの状況に大きく左右されるため、現場合わせの調整に時間がかかることもあります。事前に余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。
想定外10
検査を人からロボットに代えたら、工程が増えコスト高になってしまった
人的ミスを減らし、検査精度を上げるために、これまで人の目視で行なっていた検査をロボットに変更したところ、検査工程が増えてコスト高になる例があります。人による目視や手触りなどの方が効率的で制度の高い検査ができることもあります。人の作業を単純にロボットで置き換えようとするとコストが高くなることもあるので事前の検討が必要です。